国際通りGメン’75ー2

 

うちなー的沖縄

国際通りGメン’75 ー2

沖縄だ最新の人間国宝認定者は城間徳太郎さんである。古典音楽、特に組踊の三線演奏を極めたのだ。何を隠そう、この方と私は同じ集落生まれである。直線にすると、百メートルくらいの近さである。那覇市与儀というところだ。与儀はいまでこそ那覇市なのだが、かっては島尻郡真和志村字与儀だった。首里王府の頃から、農産物の供給地であり、その歴史は戦後に至るまで続いていた。比較的那覇市の市街地に近かったのだが、それでも「日本むかしばなし」的な雰囲気を持った静かな集落だった。花卉園芸を持った静かな集落だった。花卉園芸が盛んで、周囲はお花畑に包まれていた。こういう環境のところから人間国宝は生まれるのである。ヨーロッパの画壇で、でーじ活躍中の幸地学さんも与儀なのだ。それから、それから、えーっと、あとは、いないか。とにもかくにも人間国宝が生まれたのだ。

琉球古典音楽関係には照喜名朝一さんと島袋正雄さんもいらっしゃる。このお二人は安冨祖流と野村流である。なんだか流派が異なると、どうなのだろうか、と思うのがわれわれ素人の発想。この二方、実は仲が良くて二人して県庁の周辺とかでお見かけする。でも、これって凄いことなのだ。人間国宝には失礼だが、全国的には人生のリーチがかかっている方が結構多いのではないだろうか。それが二人して、かくしゃくという言葉も無縁のように普通に歩いておられる。なんとも素敵ではありませんか。

人間国宝というこらいだから、その方々は日本の宝というここになる。ところで、現存する人間国宝は五月十日現在で一○四人である。そのうち六人が沖縄なのだ。くどいようだが、強調する意味でくり返す。そのうち六人が沖縄なのだ。もっとくどく言えば、私が住む那覇市だけでも四人が。沖縄がこれほどまでに高いシェアを占めるのは米軍基地と人間国宝ぐらいのものではないだろうか。えっ、違うって。そうかぁ、安室奈美恵をはじめとする芸能界もすごいよね。えっ、違うって。そうかぁ、宮里藍をはじめとするゴルフの女子プロもすごいよね。

二○○七年一月一日の早朝。所はモノレール牧志駅近くの国際通り付近。七人の人間国宝が横並びになった。いよいよ、である。

観光客の入込数は堅調ながら、某県庁の人たちは、もっと増やしたいとのことから観光沖縄を世界的にアピールする手段としてある計画を練った。

「Gメン’75」から32年が経過している。あの滑走路を歩く姿は実によかったなぁ。実にビジュアル的だ。そうだ、沖縄の人間国宝の方々が、那覇の国際通り、それも早朝の朝霧の中を歩いたらどうなるのだろうか。きっと沖縄の文化性を発揮できるのではないかしらん。

前年(二○○六年)、85歳で亡くなられた太鼓の島袋光史さんの遺影を中心に、右に城間徳太郎さん、島袋正雄さん、朱里織の宮平敏子さn、照喜名朝一さん、紅型の玉那覇有公さんという堂々たる布陣ではないか。どうだ。参ったかという感じでである。

で、たまたまだが先日、照喜名朝一さんと立ち話をする機会があった。「先生、

かくかくしかじか、なのですが」と国際通りGメン作戦のことを伝えたら、「面白いね、いいじゃないか」とのこと。那覇市東町自治会長でもある照喜名さんのノリは丹波哲郎でさえあった。