ガイドブックに載らない沖縄式結婚披露宴芸

うちなー的沖縄

ガイドブックに載らない沖縄式結婚披露宴芸

先日、久しぶりに結婚披露宴の余興に出た。おそらく十数年振りである。20代、30代の頃は、多い年だと年間に5、6回はこなしていたのではないだろうか
それほど多いということは、沖縄の結婚披露宴の招待客が極端に多いということに起因している。ヤマトで親せきや友人の披露宴には何度か参加したことがあるのだが、いずれも少数の招待客であった。それに比べると、沖縄のはまるで芸人並みである。なぜ多くなるかというと、比較してみるとすぐわかる。まず、友人連中だが、代表して2、3人ではなく、全員が来る。親戚筋でも、日頃はあまり付き合いがなくとも来る。それに職場は丸ごととか、とにかく多い。なかにはどうして自分が呼ばれているのだろうかと悩む人が混ざっていることも。
厳かな式を済ませ、披露宴の場でも自分たちが主役と思っているのは
実は沖縄に限って言えば新郎新婦の2人とせいぜい親兄弟姉妹くらいなものであって、残りの招待客はどこかで友人たち(これはだいたいにおいて新郎の側)の余興を心待ちにしている。ここでは笑いを取ることがもっとも大切なことなのだが、受けるからと思ってコピー芸をすればたちまちにしてものまねということがばれてしまう。あくまでもオリジナル性が求められる。
それも単に下品であってはならない。あくまでも神聖な披露宴である
宴会芸とは区別したいところだ。宴会芸だと単独芸が多いようだが、これはあくまでも集団芸でなければならない。
偉そうな人の挨拶とつまらなくて長い乾杯の音頭が終われば、いよいよ余興が始まる。最初は定番としての「かぎやで風」が踊られる。
沖縄の祝いの席には欠かすことのできないセレモニーみたいなもので新郎新婦の兄弟姉妹など、近いものによって演じられる。それはほぼ2人で踊る。
緩やかな曲で、わりと退屈ではあるが、新郎が同級生の結婚披露宴でものすごい「かぎやで風」に遭遇したことがある。新郎の側が15人兄弟でその末っ子だった。兄弟に加えてそれぞれの連れ合いまで28人が踊ったのである。さすがにスペースの関係もあって同じ舞台というわけにはいかず、1班、2班、3班という具合に分けての登場となった。舞台いっぱいに広がった「かぎやで風」というのは初めて目にした。