うちなー的沖縄
バッシュ―はファッションだけじゃない。-2
なにはともあれ予選を勝ち抜いて、ある高校が栄冠に輝いたと書いたが、簡単にそのような言葉を発してはいけないかも知れない。なにしろ、指導する教師はいなくて、とって付けたような顧問の教師が一人だけ。決勝戦になって「ひょっとして」と初めて試合場に駆けつけてきたりして。唯一の指導は
「足だけではなく、もっと手を使え!」だけだったりして。ボールもチーム全体でわずかに1個だけという寂しさだったりして。時には篭球(バレーボール)を代用したりして。
硬すぎるボールを蹴ったり、それでヘディングをしたりするので痛くて、それこそ血と汗と涙で克ち取った栄冠であったはずだ。二回勝てば優勝なのだが、それでも立派な沖縄代表としてインターハイで全国の高校生と合間見えることになる。「この技術が本土で通用するのかどうかとなるとかなり疑わしい」と酷評されようが代表は代表だ。
いざ出発。無心の少年たちは鹿児島まで船でわたり、そこから開催地まで汽車の長旅だ。はやる気持ちを押えて、鹿児島一番の繁華街である天文館に青春一直線である。そこでまずはサッカーシューズを買わなければならない。
そう、彼らは予選をバスケットシューズで戦い抜いたのだった。