沖縄の甲子園球児たちは、なぜ笑うのか。

 

うちなー的沖縄

沖縄の甲子園球児たちは、なぜ笑うのか。

ガッツポーズのたびにジャンプがセットだった。今年の春の選抜高校野球における宜野座高校の活躍シーンでのことである。

とにかく、やたらとガッツポーズがきまっていた。このガッツポーズ、私の記憶が正しければ、メキシコオリンピックにおける水泳競技で、USA競泳陣たちが次々と右腕を振り上げての頃がはじまりではなかっただろうか。それ以来高校野球でも取り入れられたはずだ。ポテンヒットでもガッツポーズ、相手のエラーでもガッツポーズ。全国いたるところで、右こぶしがファーストフード店に向かって突き上げる時代があった。

宜野座高校のそれは、「あれよ、あれよ」の快進撃であった。ここのところ沖縄は、正直言って一勝くらいでは満足しない県民性になってきている。しかしむかし、それほど遠くない昔、沖縄の高校野球は悲壮感に満ちあれていた。それが、崔監督率いる沖縄水産高校の快進撃以来、悲壮感が躍動感に変化してきた。

沖縄水産が2年連続の決勝進出。浦添商行がベスト4、そして沖縄尚学高校はついに全国の頂点に立った。わずか2年のことである。

それにしても宜野座高校はすごかった。春の選抜大会は、各ブロックから選抜実際には優秀な成績をおさめたチームが出場することになっている。宜野座は九州大会でシ出場枠のベスト4には惜しくも届かなかったが、「21世紀枠」という不思議な制度で出場をはたした。テレビのアナウンサーは耳障りなほど、「21世紀枠、21世紀枠」を連発していた。