沖縄人のごく日常的カルチャーショックー2

 

うちなー的沖縄

沖縄人のごく日常的カルチャーショックー2

とにかく異文化ののである。電車話とおなじくらいの比率を占める割合が高いのが食べ物に関すること。ざるそばの上につゆをかけたという話は方々で聞く。究極のざるそば事件を引き起こしたのは某有名人である。蕎麦屋に入ると、昼間だったのだろうか、他の客はほとんどがざるそばとビールを注文している。昼からビールを飲むなんて。沖縄ではあり得ない光景である。初めてのことだし、同じものが何かと都合がいい。これは外国でも同じことがいえるのだが、とにかく異質の文化圏での食べ物の注文は困難を極める。出されてきたざるそばに、何らも躊躇することなくつゆをかけた。当然のようにつゆはざるのざるの隙間から漏れてくる。漏れ方が普通の漏れ方ではない。見る見るうちにつゆがテーブルにつゆが広がる。常人は、ここで、自らの失敗に気付きうろたえる。ところが、我が愛する人物はすかさず、「おばさーん、これ、漏っているよぉ」と店員に声をかけたのである。おそらくは店の人がうろたえたに違いない。普通だったら笑って済ませるところを、いきなり漏れていると言われればカウンターパンチを喰らったも同然だ。カルチャーショックを受けたのは某人物ではなく、ここでは店の人だったに違いない。

逆のケースもある。冒頭のざるそば一枚もそうなのだが、東京のあたりからの観光客が沖縄の食堂に入っての失敗例はけっこう多いと聞く。「おかず」と「味噌汁」と「飯」をトッピング状態で注文したら、「おかず」と「汁物」と「飯」、おおきな「味噌汁」と「飯」、それに大盛りの「飯」が出されたという具合だ。それぞれが定食のスタイルをとっているせいである。客は当然のように驚き、ひとり自嘲気味に片口笑い小するしかない。そして沖縄の印象の一つに食べ物屋での恐怖が残る。

あっ、某有名人たちが、それは大工哲弘さんが二十歳の頃のこと。