沖縄台風。-2

 

うちなー的沖縄

沖縄台風。-2

2,3日前のなま暖かい風で台風を予感し、前日ぐらいからの断続的な雨でいよいよ台風に備える気構えが整う。沖縄人は自然体で空手のように下腹に力を入れて固める術を知っている。気構えといっても、農家は別としても一般のウチナーンチュ

は以前ほどには構えなくなっている。そもそも建物からして違う。沖縄の建物の9割がコンクリート建築であり、いまや、沖縄中が要塞化している。窓はアルミサッシなので吹き飛ばされないし、赤瓦の屋根でもしっかりと固定されているから屋根がなくなることもない。

最近は確実に台風の襲来が減った。襲来というよりも台風の発生そのものが減っている。地球の温暖化などがその原因だというが、そういう点からすると単純に喜んでばかりはおられない。やはり地球規模でガス抜きをしてあげないと、などと

地球に優しい言葉がついつい口をついてしまう。

台風がおおかった頃は、それこそ丸一日、下手をすると丸二日も家に閉じこめられ

ていた。風そのものの音はないのだが、風が電線を震わせるピューピューという音は不気味であった。しばらくすると必ず停電になった。台風のイメージは停電であった。それでも沖縄の人々は常に台風に備えていた。風が強くて外には出られないが、家には素麺や缶詰や芋くずなどの非常食があった。あの頃は美味しいとも思えなかったが、近ごろでは妙に懐かしい。それほどまでに馴染んでいた。

で、最近の台風がどうかというと、これが情けない立場に置かれているように思えてしょうがない。数そのものも減ったが、弱いのである。こう書いてしまうと農家の方々に再び叱られてしまうのだが、実際に弱いのである。

そのせいか、沖縄の人々は不敵にも台風ともなれば海岸部に出かけてしまう。海の荒れ具合で台風の大きさを確かめるわけだ。それを一家でもって実行している家庭も絶対に多いと思う。どうして確信をもって言えるかというと、それをボクがいつも実践してるから。

お断り 旅行者の皆さんは絶対にマネしないで下さい、危険です、すぐ死にます。